ごはん相談室
ポメラニアンの涙やけ、フードだけが原因とは限りません
涙やけは体質や涙道、アレルギーなど複数の要因が関わります。フード変更だけで判断せず、原因を整理してから見直します。
むずかしく考えなくて大丈夫、順番通りでいいよ。
ポメラニアンの目のまわりの毛が茶色く染まる「涙やけ」。フードを変えれば治ると聞いて試したものの、あまり変化がないというご相談があります。涙やけは原因がひとつとは限りません。
涙やけの原因はひとつではありません
遺伝的な涙道の狭さ、目頭付近の被毛による刺激、アレルギー体質、涙管の詰まりなど、涙やけにはさまざまな要因が関わると言われています。フードだけが原因とは限りません。
食事が関係することもあります
添加物や特定の原材料に反応しやすい体質の子では、フードの見直しで変化が見られることがあります。ただし、これは体質による個体差が大きく、すべての子に同じ効果があるわけではありません。
続く・悪化する場合は受診を優先します
涙の量が急に増えた、目やにの色が変わった、目を痛がる、充血しているといった様子があれば、フードより先に眼科的な診察を優先してください。涙道の詰まりなど、治療が必要なケースもあります。
まぶたや睫毛の構造が関わっていることもあります
ポメラニアンのような小型犬では、まつ毛が目に向かって生えている、まぶたが内側に入り込みやすいといった構造的な要因が涙の量を増やす原因になることがあります。この場合はフードを変えても改善は見込みにくく、眼科的な処置が必要になることがあります。
水分の摂り方やおやつの成分にも目を向けます
飲水量が少ないと涙や目やにが濃縮されて着色しやすくなるとも言われ、新鮮な水をいつでも飲める状態にしておくことは基本的な対策のひとつです。また、着色料や特定の添加物が入ったおやつを頻繁に与えている場合、それが体質に合わず涙やけに関わっている可能性もあるため、主食だけでなくおやつの内容も見直しの対象に含めます。
参考にしている情報源
涙やけ(流涙・epiphora)の原因を整理するにあたり、以下を参考にしています。体質や構造による個体差が大きいテーマのため、実際の原因特定・治療方針は動物病院での診察によります。
- ACVO(American College of Veterinary Ophthalmologists/米国獣医眼科専門医協会)Genetics Committeeが発行する犬種別・遺伝性眼疾患の一覧資料「Ocular Disorders Presumed to be Inherited in Purebred Dogs」(通称The Blue Book、年次更新資料。現行の最新版は2025年版・第17版)。涙道・眼瞼の構造に関わる遺伝性疾患をまとめた資料です。— ACVO Blue Book(2025年版・第17版・PDF) ※本文中に犬種固有の個別記載があるかまでは確認できていないため、犬種固有の断定はしていません。
- ICADA(International Committee on Allergic Diseases of Animals)による犬アトピー性皮膚炎の診断ガイドライン「Canine atopic dermatitis: detailed guidelines for diagnosis and allergen identification」(2015年、BMC Veterinary Research誌)— ICADA 2015年ガイドライン ※アレルギー体質による皮膚・粘膜症状を評価する際の考え方として参考にしていますが、涙やけ・流涙を直接の対象とした指針ではありません。
関連記事
急に食べない・ぐったりしている・症状が続く・体重が大きく変わっているなど気になる場合は、フード変更より先に主治医へ相談してください。